古代からの日本の色は、赤と黒と白。西川さんは、そう思った。10年ほど前のことである。この色で焼き物を作ろう。そしてまず、赤い器を焼いた。
その赤の色は弁柄で出す。焼締の器を焼き、そこに弁柄を入れた釉をかけてさらに焼く。最後に漆をかける。こうして、出品作に見るような、小さな赤い器ができた。黒は弁柄のかわりに顔料を使い、白は釉を施している。赤と黒と白、三種の古代色の器は、こんなふうにして、できあがった。
最初に赤を焼いたのは、旅行が好きで毎年海外にもでかけ、アジアやアフリカの地で赤の印象が強かったせいもある。しかし、それをそのまま日本の器にすることには違和感があった。もっと現代の生活を意識した作品にしたいと思ったのである。
手のひらにおさまるような、小さな器たち。それらには、毎日をていねいに過ごしたい、お茶をおいしくいただきたい、という西川さんの思いがこめられている。





