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日本クラフト&デザイン文化を支える作家たち

さまざまな木の色を楽しむ寄木細工は、 一端を引っ張ると引き出しになっている。 遊び心と機能が両立する木の小物たち。

木工/宮城県仙台市

林 範親

Norichika Hayashi

 もともとは漆の出であった林さんだが、木そのものが好きで、それが高じて木工をすることになった。木は種類によってさまざまに色が異なるが、その色の違いに惹かれ、従来にない寄木細工を作る。また、木は重量感をよしとすることもあるが、むしろ、その軽さを表わせたら、と思う。いずれも、好きだからこその挑戦なのにちがいない。

 出品したひとつは、一見、寄木の四角い塊、オブジェのように見える。ところが、寄木のひとつの色を引っぱると、引き出しになっている。別の色は反対側に引き出せる。薄い引き出しなのだが、机や棚に置いて、万年筆などの筆記具を入れるのにぴったり。遊び心に機能もしっかりついて、座右に置きたい作品である。

 小ぶりの机もある。これは、たもの木で作られたもの。小さいけれど、とてもしっかりしている。それなのに、釘はいっさい使っていない。これも座右に置いて、しかも軽いから、好きな場所に移動させることも簡単。使っているうちに、色艶がよくなり、手にもなじんで、愛着が増すことだろう。

 いずれも楽しくて、どこかに遊び心がある作品である。それは、木が好き、という林さんの基本的な姿勢が醸し出すのかもしれない。今は日常をテーマにした木の彫刻を制作しているとか。生活用品の木工も、ますます楽しいものになりそうである。

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